トヨタ車体から新車の生産情報が入ると、当社はその車両に使用される部品製造を依頼されます。その依頼されたものはどんな部品なのか、その部品をつくるためには、どんな生産設備が必要なのか。設備を工場内のどこに置くのかなど、さまざまな検討をします。

そうやって部品製造の大枠を決めたら、次は設備の仕様やつくり方を検討します。それが決まったら、実際に試作品をつくってみて、トヨタ車体から求められている精度に仕上げられているかどうかを確認。そこで不具合が見つかれば、何が原因なのかを突き止め、改善していきます。

技術の分野と聞くと、パソコンに向かって仕事をしているイメージを持たれるかもしれませんが、実際は現場に出たり、打ち合わせをすることが多いですね。

僕は「自分の考えを持って仕事をすること」が大切だと思っています。自分なりにベストな方法を考えてから仕事に臨むようにしています。先輩に質問するときも「自分はこう思っているんですが、先輩はどう思いますか？」と聞きます。指示待ちではなく、自分で考えることで、知識の幅が広がり、自分の行動にも自信が持てるようになりました。

僕もMさんと似てるのですが、ただ漫然と仕事をするのではなく、どうしたらもっと早く、確実に終わらせることができるのか？　を考えるようにしています。あと自分の工程だけでなく、前後工程のことも考えた作業ができるように心掛けています。

私は「楽しく仕事をすること」です。製品によっては工程数が多く、検討に時間がかかったり、様々なトラブルに悩まされ、苦しいときもあります。でも、そんなときでも楽しく仕事をしようと意識するだけで、気持ちも変わってくるんですよね。辛い仕事でも、創意工夫することでだんだんとこなせるようになると、楽しくなってくる。うまく行ったときは達成感もありますよね。それってメンバーの成長だと思うんです。メンバーひとり一人の成長は会社の成長に直結しているので、楽しく仕事をし、みんなが成長し、会社の業績も伸びる……という好循環を回していきたいですね。

後輩だけでなく、人に教えるときは、何より自分がそのことを深く理解していないとダメ。だから、まず自分の理解を深めることがいちばん大事だと思っています。あとは教える相手のレベルを計って、その人のレベルに合った教え方をすること。専門用語を使って通じる相手ならいいけど、それが分からない相手の場合は専門用語を分かりやすい言葉に言い換えて伝えるとか。そんな感じですかね。

僕はまだ教える経験が少ないので、模索中です。どのように言えば、後輩たちのためになるのか。こちらの意図が伝わるのか。いろいろ試行錯誤して自分なりの方法を見つけていきたいですね。

人に教えるのはほんとに難しいよね。僕も大層なことは言えないけど、これまでの経験で見えてきたのは、基礎をしっかり教えることかなぁ。要素だったり、仕組みだったり。まず下地となる部分をしっかり教えます。その上で、応用は口を出さない。基礎がしっかりできていれば、応用はその人なりのやり方なので。そこまでは、とやかく言わないようにしていますね。

仕事から離れたところで話をすると、あんがいその人の悩みとか、本音を聞けたりするんですよ。それが、その人のことをより深く知るきっかけになったり。今後もプライベートでの交流を続けていければいいなと思っています。